恵比寿ペレグリーノ「華やかな装いで出かけたいのは、ストーリーのあるリストランテ」
  1. TOP
  2. nylife-tokyolife
  3. 恵比寿ペレグリーノ「華やかな装いで出かけたいのは、ストーリーのあるリストランテ」
nylife-tokyolife

恵比寿ペレグリーノ「華やかな装いで出かけたいのは、ストーリーのあるリストランテ」

たまにはうんとお洒落をして特別なディナーに出かけたい。土曜か日曜にそんな日を作ることは、平日の仕事を頑張るいい刺激になるはずだ。今季のポール・スチュアートにも、ここぞという日にぴったりな装いがあり、それは陽気にデートを楽しむイタリア人をイメージさせる華やかなスタイル。そこで選びたいのは、他にはない個性をもつ恵比寿のイタリアン「ペレグリーノ」だ。

Photo. Shinsuke Matsukawa / Styling. Saori Kajitani / Text. Tomoko Oishi / Edit. Pomalo Inc.

広尾一丁目の交差点から路地裏に入ったところにあるその店は、静かな入口とは対照的に、中ではゲストを興奮させるめくるめくコース料理が展開される。特に、一度ここの生ハムを食べたら、次にいつそれを食べられるかを夢みるばかりだ。

店はオーナーシェフの高橋隼人氏がひとりで切り盛りし、たった6席のみ。6人が厨房に向かって横並びに座るというちょっと不思議なレイアウトである。

pattern_2
客のテーブルから厨房まではほんの50cmほど。席に着くと、ひとりですべてをまかなう高橋さんの職人仕事を、劇を観ているかのように目の当たりにすることになる。営業は週に4日(水金土日)でディナーのみ。他の店にはないそれら条件には、“すべてを最高値で”という高橋さんの想いが詰まっていた。 「前は西麻布で2.5倍の広さで営業していてサービスのスタッフもいたのですが、全部自分でできたらいいなという理由で小さいところに引っ越しました。ひとりでやって、責任をもってやりきるのがお客さんのハートに届くかなと」

そう話す高橋さんは、お気に入りのアーティストであるソニック・ユースをBGMに下ごしらえを進める。イタリアンにソニック・ユースとは意外だけれど、営業中にかけると「この料理と合うね」と声をかけられることもあるとか。店内にはオーダーメイドの椅子が並び、天井はクラシックな曲線が彫り刻まれ、窓辺には世界に1本しかないグラッパの空き瓶が飾られている。それっぽい設えにとらわれず、自分のスタイルに徹底しているのが、この店の居心地がいい理由だ。

pattern_1

pattern_1

切って瞬時に提供される生ハムは、記憶に残る美味しさ

まるでバーテンダーのように、料理をしながら客と会話をすることもある。メニューは絶対ではない。ワインの好みを聞いて少しアレンジすることもあれば、急遽仕入れた旬の食材を追加したりもする。そして小体な店で6人のために腕を振るうことは、料理のコンディション的にも必然だった。分かりやすいのが、店のスペシャリテでもある生ハムだ。

28歳から1年間、エミリアロマーニャ州パルマのイタリア料理店で修行を積んだ高橋さんは、生ハムを切り始めて9年。待ちわびる客の目の前で手動のスライサーを動かすと、小気味よい刃物の音と同時に、芳醇な肉の香りが漂ってくる。切りたてのハムは瞬時に提供され、そのハムを手でもつと極めて薄くしなやかで、そして湿っている。

「生ハムは数秒経つだけで味も硬さも変わります。空気に触れ始めた時から水分を失っていきますから。それでお客さまとの距離を縮めたいというのがありましたね」

口に含むとそのハムはエアリーで、極薄ゆえ舌との一体感を感じる。これだけ湿度のある肉を薄く切るのは高橋さんの熟練の技でこそなし得るもの。同じスライサーを使っても他の人ができるわけではない。そして肉の塩漬けでいて甘さもあり、ハムの後に飲むワインをいっそう美味しくしてくれる。食べ比べとして4〜5種出される生ハムを、みな最初は写真を撮るけれど、そのうちに一刻も早く食べたくなるのか写真を撮り忘れてしまう。

pattern_1

pattern_1

pattern_1

pattern_1
右上:他では食べられない薄さのモルタデッラ(ボローニャソーセージ)。右下:岐阜の生ハム職人、多田昌豊さんが作った国産プロシュート。左上:さっとローストしたイタリアのウイキョウに豚の脂であるラルドをかぶせたもの。左下:発酵バターとクラテッロ(肉質の柔らかいお尻の部分)。
生ハムはスペシャリテであり序章だ。その後コースは魚料理、パスタ、メインに肉料理と続き、デザートまで唸りっぱなし。「調理技術を誇示したいのではなくて、食材の美味しさをこの空間で楽しんでいただきたい」と話す高橋さんの料理は、インスタ映えする派手なフォトジェニックさというより、食べたものだけが知る美味しい時間に重点がある。

例えば旨味の強い信州のぎたろう軍鶏を一回も沸騰させることなく15時間煮込んだブロードに、彩はない。皿にはブロードと同系色の手打ちのカペレッティが沈み、その中にはパルミジャーノが入っている。ブロードをまずひと口飲むと、はっとする滋味深さで、その味だけを集中して感じられることがとても贅沢。カペレッティをブロードと食べれば、小麦とチーズの風味がブロードのニュアンスを少し変えてくれる。

pattern_1

pattern_1

pattern_1

pattern_1
右上:岐阜の長良川の天然鰻のオーブン焼き。フルーツトマトとサルサヴェルデが添えられている。合わせるのはスロヴェニアのピノ・グリジョ。右下:一匹1kgもある肉厚なたち魚に、ズッキーニとジロール茸を合わせたひと品。左上:オーブンで火入れし、その後炭火焼きで仕上げた豚のロースはバジルのソースでいただく。右下:宮崎県産マンゴーのタルト。薄く香ばしいタルト生地がマンゴーの果実味をひきたてる。これらすべての料理に合わせたワインペアリングも「ペレグリーノ」の醍醐味のひとつ(ノンアルコールペアリングもあり)。
そういった、飾り気はないけれどドラマティックな料理の数々を味わい、気づけば3時間半のディナーが終了。その時間は高橋さんプロデュースのイタリアを感じるひととき。お洒落だけでも、グルメだけでもない。シーンに合わせてファッションを楽しむという大人の嗜みを体感する夜ともなるはずだ。

RECOMMEND STYLE

たまには遊び心のあるイタリア的コーディネートを
MEN

ジャケットからパンツ、小物までをブルーのグラデーションでまとめ、ディナーへのテンションを上げてくれるポイントはペイズリー柄のタイとチーフ。タイドアップながらイタリア人のような遊び心のあるコーディネートは、イタリアンのコースを食べるというイベントを楽しむいい演出となる。

  • JACKET ¥180,000(+TAX)
    SHIRT ¥26,000(+TAX)
    TIE ¥23,000(+TAX)
    POCKET SQUARE ¥11,000(+TAX)
    TROUSERS ¥40,000(+TAX)
    BELT ¥25,000(+TAX)
    SHOES ¥55,000(+TAX)
WOMEN

刺繍による鮮やかな花柄のセットアップは、華やかさはありつつも上品で、白いクロスがきれいにひかれたイタリアン・レストランにぴったりの装い。陽気さのあるイタリアを意識して、バッグまでオレンジにして脱コンサバ。髪はタイトにまとめるのがはまるはず。

  • BLOUSE ¥56,000(+TAX)
    SKIRT ¥69,000(+TAX)
    BAG ¥33,000(+TAX)

SHOP INFORMATION

「ペレグリーノ」
ADDRESS/東京都渋谷区恵比寿2-3-4
TEL/03-6277-4697
INFO/毎週水、金、土、日の4日
19:15開場、19:30料理スタート
30,000円前後 *その日の食材による (コース料理、食前酒、料理ごとのグラスペアリング、ミネラルウォーター、税、サービス料込み)
6席 ※完全予約制(電話受付は10:00〜13:00)

28 件
ページトップへ