渋谷OUT「至極の一皿と一杯と音楽。トリュフパスタを食べながらワインを飲み、ツェッペリンを聴くという体験」
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渋谷OUT「至極の一皿と一杯と音楽。トリュフパスタを食べながらワインを飲み、ツェッペリンを聴くという体験」

ポール・スチュアートは、テーマが明確で過度に飾らないコーディネートを推奨している。なにごとも、自信がある人ほど多くを語らないはず。そんなパターンの究極となるレストランが7月、渋谷にオープンした。メニューはトリュフパスタのみ。変わりダネのようで、実は真っ当な理由に基づいて作られているのが魅力だ。

Photo. Shinsuke Matsukawa/ Styling. Saori Kajitani/ Text.Tomoko Oishi/ Edit.Pomalo Inc.

店内インテリアは国内外で活躍する建築家兼デザイナーの小坂竜氏が担当。小坂氏自身も大のロックファンで、「ほかの誰にもこのレストランのデザインをまかせたくない」と言って店のコンセプトにぴったり合う内装をつくりあげた。

渋谷駅と表参道駅の中間に位置する「OUT」へ入ると、まず目につくのがスタイリッシュな券売機。まるでラーメン屋のように、客はここで料理をオーダーするシステムだ。ただし、券売機に書かれている料理はトリュフパスタ一品のみ。それを聞くとトリュフパスタ専門店のようだけれど、アピールしているのはそこではない。

「トリュフパスタ、赤ワイン、レッド・ツェッペリン、この3つが合わさった時間をみんなに体験してほしいと思い、OUTをつくりました」

そう話すのはオーナーのひとり、セーラ・クレイゴさん。オーストラリア出身の起業家でフードジャーナリストである。セーラさんを含む3名のオーストラリア人が、“One dish. One wine. One artist”をコンセプトに「OUT」をオープンさせたのは7月1日のこと。開業のきっかけは約2年前に遡り、セーラさんと兄(同じくオーナー)が参加したあるホームパーティーで、「OUT」のアイデアのもととなる出来ごとがあった。

「みなでトリュフパスタを食べながらワインを飲んでいる時、ちょうどレッド・ツェッペリンが流れていました。その時にはっとするほど3つのエレメントが合うと感じて、それは私だけでなくそこにいる誰もが思ったことだったんです。“WOW”“これっていいね”と、とてもいいムードでした」

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右:イタリアで食文化とコミュニケーションについて修学し、ロンドンではミシュラン星つきシェフとともにレストランをオープンさせた経験ももつセーラ・クレイゴさん。東京で最近好きな店は代々木上原の「Gris」と神宮前の「eatrip」。左:料理も飲み物も券売機で購入するチケット制。パスタとワインのセット(¥4,000)、赤ワイン(グラス¥1,300 ボトル¥6,100)、シャンパン(グラス¥1,400 ボトル¥9,500)

3つの要素がひとつになった時の体験が「OUT」のすべて。お酒を飲める人はトリュフパスタとワインがセットになったチケットをまず購入してほしい。そのマリアージュは前提ではあるけれど、パスタのみやワインのみのオーダーも可能で、追加パスタや追加トリュフの選択肢もある。店ができるきっかけと同じく、ここでは気分が大事。だから食べたいと思った人がふらっと来られるように予約もとらない。

「夕食としてパスタを食べて20分ほどで帰る方も、グループで来てお喋りしながらワインを飲んで長居をする方もいます。下にある居酒屋なるきよで飲んだあとに〆でパスタを食べられる方もいますね。20代の若いカップルから50〜60代まで年齢層もさまざまです」

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右:店内にはレッド・ツェッペリンのレコードが延々と流れている。左:8月の取材時にはオーストラリア産の大ぶりなトリュフを提供。秋にはイタリア産を予定している。

コンセプトと同じくユニークなのは、気軽に上質なトリュフを味わえることだ。これまでトリュフを味わえる店と言えば高級なフレンチやイタリアンが多かったけれど、「OUT」ではまるでラーメン屋に入る感覚で、出自のはっきりした贅沢なトリュフを堪能できる。

オーストラリア、フランス、イタリアとトリュフはシーズンベストの産地から取り寄せたフレッシュなもので、ワインはトリュフが採られた土地に合わせセレクト。そしてテーブルにはトリュフをとった犬の名前や農場主からのコメント、ワインの説明が書かれたお品書きが置かれ、食べ手のイメージを膨らませる。この店で初めてトリュフを食べる若者もいるそうで、トリュフデビューとしてはこのうえない条件だろう。

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右:レコードで流されるレッド・ツェッペリン目当ての客もいるとか。左:季節ごとのトリュフの個性に合わせて、バターの銘柄やチーズの量を微調整してパスタを仕上げている。トリュフが削られた直後、熱々を食べるべし。

テーブルにつきパスタを待っていると、10分ほどでバターとパルミジャーノ・レッジャーノ、EXVオリーブオイルがからめられた手打ちパスタが提供される。そして目の前でトリュフが削られ、その瞬間からが「OUT」の醍醐味。バラの花びらほどのサイズに削られたトリュフからは、芳醇な大人の香りが漂い、BGMはロック界のカリスマの名曲。トリュフのかかったパスタを食べてワインを口に含むと、不思議とレッド・ツェッペリンはより鮮明に聴こえる。ただ美味しいだけじゃないロックなひとときは、世界でここだけの体験だ。

RECOMMEND STYLE

カウンター席に映える
きっちりすぎない秋スタイル
MEN

コンクリート打ちっぱなしでカジュアルだけれどスタイリッシュな内装の「OUT」は、客の服装を問わない店。それでも、ジャケットとタイを着用した大人のスタイルは、赤ワインをもつ仕草がより様になるはず。シャツをデニム地にしたことでキメキメになりすぎず、タイの柄は星のようにも見えて少しロック。ジャケットを脱ぐとカジュアル度が増して印象が大きく変わる、2度楽しめるコーディネートである。

WOMEN

店のある渋谷2丁目は、食通の遊び慣れた男女が集まるエリアでもある。そんな街に似合うのは、媚びたかわいさよりは格好いいパンツスタイル。膝丈まであるロングジレは、ひとりカウンターでワインを飲むのも慣れているような都会の女性のイメージを演出。髪をきりっとまとめて胸元の生地のニュアンスを引き立てるのがおすすめ。

SHOP INFORMATION

「OUT」
ADDRESS/東京都渋谷区渋谷2-7-14 Vort 青山103
OPENING HOURS/18:00〜26:00
CLOSED/月曜

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