モクシー東京錦糸町「ホテルの常識をくつがえす新ブランドが、いま面白い!」
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モクシー東京錦糸町「ホテルの常識をくつがえす新ブランドが、いま面白い!」

2017年秋、これまでとまったく異なるスタイルのホテルが東京・錦糸町にオープンした。その名は「モクシー東京錦糸町」。“ホテルとはこうあるべきだ”という枠を取りはらったその空間は、訪れる者に自由な発想を生むきっかけを与えてくれる。伝統を持ちながらも時代に対応し進化するその姿勢は、ポール・スチュアートに共通している。

Photo. Shinsuke Matsukawa/ Styling. Saori Kajitani/ Text.Tomoko Oishi/ Edit.Pomalo Inc

「モクシー・ホテル」の名は、日本ではそれほどなじみがないはずだ。マリオット・インターナショナルが満を持して打ち出したこのブランドは、“ミレニアル世代を主要ターゲットとする”というコンセプトのもと2014年に誕生した。「モクシー・ミラノ」のオープンを皮切りに、現在はヨーロッパとアメリカを中心に計26軒、来年には80軒以上に拡大予定の新鋭ブランドである。

部屋にはダイヤル式にデザインされた電話が設置されている。

“ミレニアル世代を主要ターゲットとする”を言い換えると、“節約志向の旅行者向けブティックホテル”。ミレニアル世代はゴージャスさよりもユニークな体験やデザインを重視しているという解釈のもと、手ごろな予算で泊まれるエッジの効いたホテルを作りあげた。なので、その価値観が当てはまれば客層はミレニアル世代に限らず、ビジネスマンもいれば親子連れもいる。「個性のない3〜4つ星ホテルに泊まるのは絶対に避けたい!」という人たちがここに集まっているのだ。

宿泊ゲストが利用できるレンタサイクル。

では、普通のホテルといったい何が違うのか? ホテルのエントランスに入った瞬間から気づくはずだ。通常なら数人のスタッフを配するはずのエントランスに誰もいない。それでも、“CHECK IN”の矢印にそってバー&ラウンジに入れば、そこでチェックインすることができる。スタッフを最小限にとどめたことも、宿泊料が手ごろな理由だ(Hotels.comによると1〜2月の1泊1室の料金は約1万3000円〜)。

そのバー&ラウンジにいるスタッフの装いは、デニムとTシャツで、足元はスニーカー。うやうやしいおもてなしというよりは、フランクな接客で声をかけてくれる。「申し訳ございません」という言葉は使われなさそうなムードなのだ。聞けば、あえてホテル経験のないスタッフたちを採用したとか。採用基準はモクシーのブランドイメージに合うかどうか。つまりは、テンションが高く頭のやわらかい人をとった。

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左上:横断歩道と信号をモチーフにしたトイレのデザイン。右上:ラウンジに置かれたテーブルサッカー。パブリックスペースのクッションや椅子はさまざまな種類を組み合わせている。左下:懐かしのファミリーコンピューター。ブラウン管のテレビにはVHSも入る。右下:ライブラリーの壁には文具を使ったアートが飾られている。

肝心のデザインは、見てのとおり陽気。ホテルというよりは流行りのカフェのようで、ユーモアの効いたディテールがそこかしこに見られる。例えばトイレの男女表示は、信号のライトの上に男女の「早くトイレに行きたい!」という様子を表したシルエットだったり、壁には東京の地下鉄をイメージした実用的ではない路線図が描かれている。また、ファミコン(テレビはブラウン管!)やジェンガ、テーブルサッカーが置かれ、誰でも自由に遊ぶことが可能。実際に取材時には、欧米のビジネスマンが夢中でスーパーマリオブラザーズで遊んでいたのだった。

デスクワークをする人が集まる、入って右のライブラリー。

そして特筆すべきは、コンセントの多さだ。 携帯充電用のUSBもいたる所にあり、ネットサーフィンするにも仕事をするにも最高だ。しかも、パスワードいらずですぐにWi-Fiに接続することができる。宿泊客でなくても一杯320円のコーヒーからバー&ラウンジを利用できるので、「こんな場所が近所にあったら…」と思わざるをえない。

ホテルのロケーションは、錦糸町の駅から徒歩3分ほどの場所。なぜ錦糸町にホテルをオープンさせたかと言えば、ディープな場所に作ることがモクシーらしさでもあるから。港区や渋谷区ではモクシーにとっては普通だったのだ。錦糸町へわざわざ遊びに行くという人はまだ少ないかもしれないが、実は近年グルメ処として注目されているエリアで、特にアジア料理店が熱い。ディナーをそれらの店で済ませてから「モクシー東京錦糸町」のバーへ行くのもいい流れだろう。

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左上:バー&ラウンジはヌードルバーを併設。写真はフォー(¥800 ※11:30〜14:30の提供でお代わり自由、コーヒーか紅茶付)右上:多数のカップラーメンも販売しており、購入後に自分でお湯を入れるシステム。好みに合わせて調味料や薬味を入れてカスタマイズすることもできる。左下:関東各地のクラフトビールや日本酒をキャッシュオンで楽しむこともできる。右下:オリジナルのカクテルも充実。左からホワイトラムやピンクグレープフルーツが入った“ハンド・ユア・ラム”(¥700)、カンパリとスイート・ベルモットによる“セカンド・イン・ワン”(¥900)、スコッチウイスキーやライムによる“モクシー・スマッシュ”(¥900)

「モクシー東京錦糸町」は客室をミニマムに作り、その分パブリックスペース(ライブラリー、バー&ラウンジ)を充実させているのが斬新だ。客室は寝室、リビングがパブリックスペースというイメージで、後者でゆったり寛いでほしいという意図がある。また、ミレニアル世代の旅人たちは、アクティブに街を探索するから客室での滞在時間が短いと見込み、部屋の設えを最小限にした。

部屋の面積は17〜20㎡ほどとコンパクトだし、バスタブやクローゼット、冷蔵庫など5つ星ホテルに当たり前にあるものはない。アメニティは、歯ブラシやカミソリ、リンスインシャンプー&ボディソープ、ナイトウェア、スリッパ等、最小限。モクシーの場合、足し算で満足させるのではなく、引き算で部屋のバランスを整えている。あまって捨てられるアメニティもないからエコだし、クローゼットやバスタブをなくしたことで面積のわりに部屋は広く感じられる。また、ベッドにはシモンズ製マットレスを採用し、デザイン性の高いレインシャワーを導入するなど、要点になる箇所にはきちんとお金をかけている。そんなモクシーの感性は、次世代のホテルのいい見本になるだろう。

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左:バスタブはないがレインシャワーを採用し、腰掛けられるスツールを置いているバスルーム。右:宿泊ゲストのためのアイロン部屋。アイロンをかける男性の写真も印象的だ。

週末の冒険に泊まってみるもいいし、仕事帰りにバー&ラウンジに行ってみるのもいい。いずれにしろ、モクシーを訪れることはちょっとした異文化交流。人を「面白ければ、それでいい」という気持ちにさせてくれる場所なのだ。

RECOMMEND STYLE

次世代ホテルのラウンジには、大人カジュアルがよく似合う
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「モクシー東京錦糸町」が気取らない自由な雰囲気なので、装いも自分がリラックスできるスタイルを。ここでの主役は、微かな光沢のある大人のPコート。光沢と品のよさの秘密は、メルトンに上質な糸を使用していること。フォーマルにも合わせやすく、このコーディネートのようにシンプルなカジュアル着をきれいにまとめてくれるコートでもある。ソファ席で楽に寛ぐために、ストレッチの入った着心地のよいパンツを選ぶのが正解だ。

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男性に合わせて、女性も大人のPコートをセレクト。大きな下襟が特徴のナポレオンカラーで立体感を出し、襟が大きいことで小顔効果もあり。少しゆとりのあるシルエットなのが、肩肘張らない「モクシー東京錦糸町」のテンションと合う。クリースラインのはっきりとしたワイドクロップドパンツは、ヒールの高いブーティと合わせればきちんと感も抜群だ。仕上げはワインレッドのファーポーチ。冬のカジュアルに一点華を添えてくれる。

SHOP INFORMATION

「モクシー東京錦糸町」
ADDRESS/東京都墨田区江東橋3-4-2
TEL/03-5624-8801
INFO/宿泊、レストランに関する詳細は公式サイトをご覧ください

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