2022.06.17

【Paul Stuart Director’s Remote Talk】 SIDE A:鴨志田康人×ラルフ・オリエンマ「洋服の話をしよう」

 

日本は仕事前の朝8時、NYは終業後の19時――ニューヨークのポール・スチュアートの新しいスタジオに現れたのは、デザインディレクターを務めるラルフ・オリエンマ(RALPH AURIEMMA)です。コロナになって以来、ラルフは来日が叶わず、日本のディレクター鴨志田康人もNYでのミーティングができず、二人は約3年、直接会って話をしていません。今回は東京・NYのリモートで、「Say Hello!」からお互いおもむくままに会話がスタート。前後編に分けてご紹介します。

 

Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 

「鴨志田さんとお会いしたいですが、8月までは出張ができないんです」

 

ラルフ・オリエンマ(以下、ラルフ) 鴨志田さん、お久しぶりです。実際にはもう3年近くお会いしてないですね。日本に行けなくなって寂しいです。

 

鴨志田康人(以下、鴨志田) コロナがなければ、フィレンツェで行われる展示会のピッティウオモ(PITTI UOMO)で会って、二人が常宿にしているグランド ホテル ミネルヴァ(Grand Hotel Minerva)でお酒でも飲んでいるはずなのに……。

 

ラルフ 本当ですね。NYのポール・スチュアートは8月まで出張ができませんが、11月ぐらいにイタリアに行って、2023年秋冬コレクションの打ち合わせでニット工場などを回ろうと思っています。

 

鴨志田 ラルフさんのスケジュールが決まったら教えてください。僕も一緒に行きます!

 

 

「人が街に戻ってくるにつれて、テーラードがよく売れています」

 

鴨志田 ご家族はみなさんお元気ですか? 日本のニュースでは、「NYは家賃など物価がどんどん上昇している」ことがよく報じられていますが、今はどんな状態ですか。

 

ラルフ 家族は元気です。ありがとう。僕が見ている限りでは、NYは非常にゆっくりと回復している感じですね。コロナ以前に比べると、オフィスには完全に人は戻ってきていないし、ホテルやレストランなども以前のエネルギーは戻ってきていません。

 

鴨志田 それは東京もそういう感じがします。

 

ラルフ ただ、コロナ禍の中ではポロシャツやTシャツ、ラウンジウェアなどのカジュアルアイテムが好調でしたが、最近はジャケットやスーツなどテーラードがよく売れていて、売り上げも戻ってきていますよ。

 

鴨志田 それは良い徴候ですね。日本もテーラードは好調で、以前に比べてパワーアップしている感じがします。なぜNYではテーラードが波に乗って来ているのですか。

 

ラルフ 街にビジネスマンが戻ってきて、ポール・スチュアートには「信頼できるテーラードがあることを信じて」戻ってきてくれているからですね。NYのラグジュアリーブランドも活気が戻ってきています。

 

 

「ラルフに青山本店を見てもらって、バーで一緒にお酒を飲みたい」

 

鴨志田 ラルフには2020年11月にオープンした青山本店をまだ見てもらっていないんですよね。

 

ラルフ バーの「ザ コッパー ルーム(The COPPER ROOM)」で鴨志田さんとお酒が飲みたいです。

 

鴨志田 ゆっくり飲みたいですよね。店は、日本の本店としては小規模ですが、量より質を追求した店を目指しています。それには、空間も商品もまだまだ目標には程遠いですが……。コンパクトな売場の中に凝縮された品揃えのお店にしていきたいですね。

 

 

ラルフ ロケーションも変わって、非常にモダンな空間になったのは写真で見ています。

 

鴨志田 内装では、調度品などを徐々に増やしていって、もっと魅力のある空間にしていきたいと考えています。

 

ラルフ 鴨志田さんのセンスには期待しています。早く日本へ行きたいですね。

 

Ralph Auriemma presents Phineas Cole Summer Ivy Collection

 

「ラルフがデザインディレクションしているPhineas Coleが素晴らしい」

 

鴨志田 自分もNYにまだ行けませんが、インスタグラムの@paulstuartnyはよく見ていますよ。今シーズンのリゾートコレクションも素敵ですが、あのスタイリングはフィニアス・コール(Phineas Cole)ですか。

 

ラルフ そうですね。見てくれてありがとうございます。

 

インスタグラム@paulstuartnyより

 

鴨志田 ドレスからカジュアルまで、ポール・スチュアートらしさを継承しながらアップデートさせたユニークなコレクションになっています。Very Paul Stuart !!

 

ラルフ フィニアス・コールは日本未展開なのが残念ですが、ポール・スチュアートの“アングロ・アメリカンスタイル”をより同時代的にデザインとファブリック(素材)、カラーリングやプリントなどで表現しています。

 

インスタグラム@paulstuartnyより

 

鴨志田 自分も1920年代、30年などのジェントルマンスタイルは大好きですが、クラシックな装いをラルフさんのモダンな感性で表現すると、こういう解釈になるというのを見て楽しんでいます。

 

インスタグラム@paulstuartnyより

 

ラルフ 私も鴨志田さんがディレクションしているポール・スチュアートのシーズンカタログをしっかりチェックしていますよ。今シーズンのビジュアルも素敵ですね。

 

 

鴨志田 ありがとうございます。今シーズンは本コレクションのほかに、「ポール・スチュアート ゴルフ」もスタートしました。ゴルフラインも徐々に充実させていきます。

 

ラルフ 結局、洋服の話ばかり(笑)になりますね。

 

鴨志田 やっぱり洋服が好きなんですよ。

 

 

後編の鴨志田康人とラルフ・オリエンマの「NYと東京の話をしよう」もお楽しみに!

 

鴨志田康人(かもした やすと)
1957年東京生まれ。多摩美術大学卒業後、株式会社ビームスに入社。販売、メンズクロージングの企画、バイイングを経験。1989年に退社し、ユナイテッドアローズの創業に参画する。2007年に自身のブランド「Camoshita UNITED ARROWS」を立ち上げる。日本はもちろん、欧米やアジアでも多くのファンを持ち、アジア人では初めて第84回「ピッティ・イマジネ・ウオモ賞」を受賞。2018年に自身の会社を設立し、2019年秋冬コレクションより、ポール・スチュアートの日本におけるディレクターに就任する。

ラルフ・オリエンマ(RALPH AURIEMMA)
米国系の会社で米国市場向け製品の開発を担当後、シャツの「ロレンツィーニ」とトラウザーズの「インコテックス」で米国市場向けのデザインと企画を9年間担当する。その後、「ラルフ ローレン・パープルレーベル」のデザインを担当。2006年にポール・スチュアートに入社し、「フィニアス・コール」の2007年秋冬コレクションに参加し、デザインディレクターを務める。2014年に新CEOが就任し、ポール・スチュアートのクリエイティブディレクターに指名される。

 

ポール・スチュアート 青山本店
TEL 03-6384-5763
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
営業時間 11:00~20:00
併設するバー「THE COPPER ROOM(ザ コッパー ルーム)」
18:00~24:00 ※同一テーブルでの会食は4人以内
※酒類の提供を再開しております
これまで同様、感染防止対策を徹底し営業いたします。
ご不明な点がございましたら、ショップまでお問合せください。