2021.05.07

【Paul Stuart Culture CLUB ⑥ VINTAGE SHOP】 高円寺アネモネで、一期一会の大感激! 時間を超えた古着と出合う「鴨志田さんぽ」

 

「高円寺アネモネのインスタグラムにポール・スチュアートのコートが出ていたので、急いで行きましょう」と、日本におけるディレクターの鴨志田康人と向かったのは、「ヨーロッパの良質な古着を探すならアネモネ」という絶大な人気を誇り、今のヴィンテージブームを牽引する古着屋の一つである高円寺のアネモネ。オーナーの提橋(さげはし)良太さんが店の奥から持って来たコートは……。

 

Photo. Yoshimi Seida / Text. Makoto Kajii
Edit. FUTURE INN

 

 

「コートが一番好き」と公言する鴨志田のニヤニヤが止まらない!

 

鴨志田康人(以下、鴨志田) 早速試着してもいいですか。

 

提橋良太(以下、提橋) もちろんどうぞ。90年代の英国製の「クリフォードコート」です。

 

アメリカのポール・スチュアートで50年以上もCEOを務め、ブランド中興の祖でもあったクリフォード・グロット氏自らがデザインしたことで知られるタイロッケンコートのクリフォードコート

 

鴨志田 クリフォードコートは持っているんですがコンディションが良くないので、これはうれしいなぁ。

 

提橋 サイズ感はいかがですか?

 

鴨志田 本来ならワンサイズ下ですが、コートはガバッと着るのが好きですし、着丈の長さもたっぷりあるので最高ですね。裏地もポール・スチュアートらしい配色で、これはアネモネでしか見つからないでしょう。

 

提橋 英国製のINVERTERE(インバーティア)製の一枚袖はなかなか見つからないので、鴨志田さんに着ていただけるなら本当にうれしいです。

 

アネモネのオーナー提橋さん(右)が着ているスエードジャケットとストールもポール・スチュアートのものです

 

鴨志田 ポール・スチュアートのハイクオリティな製品は英国製が多くて、インバーティアのコートは世界的に高い評価を受けています。このクリフォードコートは名作ですよ。

 

提橋 自分はカタログを集めるほどポール・スチュアートが好きで、鴨志田さんが日本のディレクターになると聞いたときはご縁を感じました。カタログに載っているクリフォードコートのツイード素材をずっと探していますが、なかなか見つからず、手強いですね。

 

提橋さんが収集しているポール・スチュアートのカタログ

 

大人向けに商品を揃えていくと、良いモノにたどり着きます

 

鴨志田 日本の古着屋は外国人が買い漁りに来るほど世界一のセレクトだと思いますが、アネモネはどうしてこの品揃えになったんですか。

 

提橋 店を始めたのは2008年で、最初はアメリカモノなどを仕入れていましたが、「コートはコートブランド、ニットはニットブランド」と絞っていったら、自分自身の好みも含めて大人向けのヴィンテージアイテムにたどり着きました。

 

 

鴨志田 アネモネは、「夏でもコートが飛ぶように売れる」店として有名ですが、そういう品揃えが大人を惹きつけるんでしょうね。

 

提橋 コート、カシミヤ、レザーのギュッと良いところをデッドストックを含めて仕入れています。レディースの古着もあるので、週末はご夫婦やパートナーと来られる方が多いですね。

 

鴨志田 ヨーロッパのファクトリーブランドの古着やデッドストックがこれだけ揃っている店はなかなかないので、アネモネに来始めてまだ3~4年ですが、気分はいつもお宝探しですよ。

 

手にしているのは、エクストラファインメリノを使用した“ベルラナ”という今はないラインのニットポロ

 

提橋 今日はクリフォードコート以外に目に付くモノはありましたか。

 

鴨志田 ロータのデッドストックのパンツやドルモアのニットなども良いクオリティですが、驚いたのはジョンスメドレーの“ベルラナ”のニットポロ。ビームス時代に自分が売っていたジョンスメドレーの冬物の定番で、まさか2021年に出合うとは、時代を超えちゃいますね。

 

90年代のものと思われるポール・スチュアートのカシミヤ100%のダブルブレストコートはカナダ製。試着してご満悦です

 

流行り廃りのないクラシックの魅力をヴィンテージで味わい尽くす

 

提橋 鴨志田さんは古着の魅力をどう捉えていますか。

 

鴨志田 古着は出合いで、まさに一期一会だから面白いですよね。ビームスにいた頃から古着は好きで、竹下通りにあった『赤富士』を筆頭に、原宿は“歩けば古着屋”の街ですから、本物のメイド・イン・USAなどを見る機会が多くて、たくさんのものを吸収していました。

 

提橋 古着のどういうところを見ていますか。

 

鴨志田 素材、デザイン、色合わせ、仕立て、いろんな視点で見て、ビビッと来たら試着しています(笑)。

 

ジョンスメドレーのニットポロは、配色がお気に入り

 

提橋 今は世の中でヴィンテージブームと言われていますが、鴨志田さんの世代の男性が、「昔着ていたコートをもう一度着たい」とか「好きなコートを手放してしまったので探している」と来店されることも多いですね。

 

鴨志田 それがクラシックアイテムの良さですよね。好きなアイテムは素材違いや色違いで欲しくなるし、流行り廃りを気にすることなくずっと着られます。

 

提橋 うれしそうにコートを試着する大人のファッション好きの方を見ていると、「仕入れて良かったな」と思います。

 

入荷したばかりのラコステの長袖ポロ。ポール・スチュアートの今季のセットアップとスモーキーなピンクの組み合わせはまさに鴨志田流

 

鴨志田 さっき、90年代のポール・スチュアートのダブルブレストジャケットを試着してみましたが、肩周りが決定的に違って、仕立てが真面目だから余計に時代を感じさせます。テーラードって不思議ですよね。

 

 

提橋 洋服のプロならではの感想ですね。今日はお買い上げありがとうございます。

 

anemone(アネモネ)
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