【WOMEN】動き続ければ、世界はもっと変わる。─白木夏子(HASUNA 代表取締役)後編
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【WOMEN】動き続ければ、世界はもっと変わる。─白木夏子(HASUNA 代表取締役)後編

時代が注目するキーパーソンにポール・スチュアートが迫る「STYLE SESSION」。 第4回目のゲストは、ジュエリーブランド HASUNA 代表の白木夏子さんです。9年前に当時日本初 となるエシカルジュエリーブランドを立ち上げた彼女は起業家として活躍する一方で、会社代表と しての仕事と育児を両立しています。常に世界に目を向け挑戦し続ける、彼女のこれからとは──。

Photo. Keiichi Suto / Text. Shizuka Horikawa / Edit. Pomalo Inc.

― 仕事、あるいは人生において、今いちばん大切にしていることは何でしょう?

この1~2年、自分自身と向き合い内面を見つめることが大切だなって思っています。こうして外 部に発信する仕事をしていると、特に社長業って、外に目が向きがちなんですよね。会社の業績だ ったり、ブランドの見え方だったり......。そんな中、3、4 年前ぐらいかな、これまで自分自身を 見つめてきたことがなかったっていうことにふと気がついて。その時から自分の感情がどこにある のか。悲しいのか怒っているのか、嬉しいのか、楽しいのか。そんな人間らしい感情を見つめるよ うになって、より人生を、生きることを全力で楽しむことができるようになったと思います。

どんな自分も受け入れる。

ネガティブな自分もポジティブな自分も両方、存在していることがすごく人間らしいなって、今、 つくづく思うんです。以前は私、ネガティブな感情をひた隠していたんですよね。怒りを出すのも 大人気なくて醜いし、孤独感に苛まれることを表に出すのはよくないって思ってた。けど、それっ て本来誰にでもある感情であって、実は人間として生きるにおいてとっても大事なことなんじゃな いかって。

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これから AI がどんどん進んでいくと、人 間の仕事が大きく変わっていくと思いま すが、やっぱり何かを感じて、怒ったり泣 いたり笑ったり、感情を動かすことって人 間にしか出来ないし、そういう部分を大切 に持っている人ほど、人間として大きく活 躍できるんじゃないかって思うんです。 そのために瞑想したり、マインドフルネス とか、自分の感情の状態を客観視すること で心の安定を取り戻すということも実践 しています。ヨガをはじめて 10 年近くな りますが、ヨガをやっていると自分のから だの状態を見つめることはできるんです が、心の状態って、思えば見つめたことが なかったなって。それがここ最近、最も大 切にしていることですね。

― それもやはり、お子さんがきっかけですか?

そうですね。怒ったり喜んだり、子どもって喜怒哀楽がはじけているじゃないですか。それって何 よりも素晴らしいことだなって。人間ってこういうのが自然だなって思って。よく人に「自分の好 きなことってどうやって見つけたらいいですか?」って聞かれたとき、4歳児や5歳児だったとき のことを思い出して、掘り下げていくと自分のやりたかったことが見つかるよ、って言ってたんで すけど、そう答えてる割には、自分が感情の起伏があんまりないなって子供を見ていて反省しまし た。これまで、ある程度なんとなく楽しいんですけど、ものすごく落ち込むこともなければ、はじ けるように笑うこともないっていう変なゾーンに入ってしまっていて(笑)。

― それ、人間としてだいぶレベルの高いゾーンな気もしますが(笑)。

いや、これまでは忙しすぎて感じることをしてなかったんだと思います。だから、自分を抑圧して いたことにも気づかなかったんです。そしてふと、私っていつから泣かなくなったのかなとか、私 いつからあんまり怒らなくなったのかなって。だから今はめちゃめちゃ泣きますし、物凄く怒りま すし(笑)、その代わり、すごく笑い、心から楽しい!と思える瞬間が圧倒的に増えました。そし て今、心がとても安定しているのを感じるんです。

世界にもっと出て、いろんな人に出会いたい。

― 白木さんの今後の目標は?

HASUNA が9年目となる今年。昨年リブランディングをしたのですが、その際にブランドの原点に 立ち返ることがありました。美しいものを、美しい素材でつくっていきたい。その美しさとは、見 た目だけでなく生産過程も美しくありたい。そのシンプルな気持ちは創業時からまったく変わって いないなあと。そして、エシカルであることはもはや当たり前のこととして捉え、より永続的で普 遍的な美しさやデザイン性を追求して、長く愛されるブランドに育てていきたい。私たちは PERPETUAL(永続的な、普遍的な)JEWELRY という言葉でこれを表現しています。私個人としては、 価値観や古い常識を覆して、ポジティブに変化させていくような仕掛けを様々な仕事を通じて手が けていきたいと思っています。

― 白木さんは、世界を巡る中で何に面白さを感じますか?

様々な国で文化や国境を超えて、「地球の人間」として生きていることを実感することがすごく楽 しい。学生時代にバックパッカーでいろんなところを旅していた頃からそれは変わらないのかもし れませんね。最近のキーワードとしてよく“多動力”が大事だと言われますが、動いたら動いただ け自分も世界も変化していく。自分の内面の気づきに至るのも、自分が動いているときだったりす るじゃないですか。お散歩の途中でも、飛行機の中でも、新しいアイデアが浮かんだり、面白いビ ジネスモデルだったり。ひらめき、発想、新たなインスピレーションって、動いているときに沸い
てくることが多いんですよね。

― 次に考えていることは何でしょう?

今、実はジュエリーのビジネスだけでなく、HASUNA と同じく地球をポジティブに変化させるよう なビジネスをサポートしたり、立ち上げに携わったりしています。フードだったりファッションだ ったりと分野は様々ですが、良い会社が増えればそれだけ地球は良くなっていくと思っています。
規模は小さくても HASUNA みたいな会社が 100 個あったら世界は変わるんじゃないかなと。たとえ ば単純に、オーガニックフードを広めると必然的に農薬不使用の農地が増えて健康的な人が増える とか、女性が活躍をしている企業をサポートして、より女性が働きやすい社会にするとか。ビジネ スの面白いところってひとつの会社がその会社のサービスを受ける数千人、数万人、それ以上の人 たちの行動に影響するところだと思うんです。

私は HASUNA を立ち上げたことで、何万人というお客さまに商品を提供してきたわけですが、その 方たちがジュエリーを購入し身につけることで、自然に社会貢献ができる仕組みになっています。 寄付じゃなくて、これが対価のあるブランドビジネスとして伸びていくことが、価値があると私は 思っているんです。それに加えて、エシカルなジュエリーブランドやファッションブランドが幾つ も立ち上がったり、エシカルファッション、エシカル消費を推進する団体が続々と立ち上がってい ます。ただのお金儲けではない、HASUNA のエシカルな取り組みにヒントを得て会社を立ち上げま した、ブランドを立ち上げました、と言っていただくことも多いのですが、そう言われると嬉しい ですね。業界が変わってきているのを生で見てきているので、その変化を起こしている歯車のひとつになれていたら本望です。まだまだこれからですけど。世界をより良い方向に変化させたいとい う思いは、学生の頃からずっと変わらず考えつづけていることなんですよね。

― お話にもあったように、自身のビジネスと出産、育児の両立という、女性にとっての大きな壁を乗り越え、世界に目を向け新たな活動に挑もうとするその姿こそが、ライフステ ージの変化にとまどう多くの女性の共感に繋がっているのだと感じました。 ポール・スチュアートとしても、さまざまなビジネスシーンに対応する装いの提案を通して、白木さんのような女性リーダー活躍のためのサポートをしていければと考えています。


(白木夏子様着用アイテム)
DRESS ¥34,000(+TAX)
問い合わせ先/SANYO SHOKAI(カスタマーサポート)Tel.0120-340-460

PEOPLE PROFILE

白木夏子 Natsuko Shiraki
起業家/ブランドコンサルタント/HASUNA Co.,Ltd.代表取締役
イギリスにあるロンドン大学キングスカレッジにて発展途上国の開発について学ぶ。 国連インターン、投資ファンド会社を経て2009年にHASUNA Co.,Ltd.を設立し人、社会、自然環境に配慮したエシカルなジュエリーブランド事業を展開。    
「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011」キャリアクリエイト部門受賞。
AERA「日本を立て直す100人」にも選出され注目を浴びる。近年では雑誌やトークショーなどにも多数出演し、活動の幅を海外にも拡げ、そのビジネスと「生き方」が支持を集めている。

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