ポール・スチュアートのスーツはとにかく着やすさがいい。─山下春幸(ウォーターマーク代表兼エグゼクティブシェフ)中編
  1. TOP
  2. style-session
  3. ポール・スチュアートのスーツはとにかく着やすさがいい。─山下春幸(ウォーターマーク代表兼エグゼクティブシェフ)中編
style-session

ポール・スチュアートのスーツはとにかく着やすさがいい。─山下春幸(ウォーターマーク代表兼エグゼクティブシェフ)中編

時代が注目するキーパーソンにポール・スチュアートが迫る「STYLE SESSION」。第9回目のゲストは、HAL YAMASHITA 東京のエグゼクティブオーナーシェフでウォーターマーク代表の、山下春幸さん。料理技法など、伝統的な日本のスタイルに独自の視点を用い、従来になかった斬新な組み合わせを取り入れた『新和食』を提案している。そんな国内外から高い評価を獲得する、日本が世界に誇る和食界の革命家・山下春幸さんがポール・スチュアートのスーツを着用。スーツへのこだわりや和食の未来に至るまで幅広く伺いました。

Photo. Tatsuya Yamanaka(Q+A) / Text. Kei Osawa / Edit. Pomalo Inc.

スーツも仕事も、大事なことは"楽ちん"であること

― 「新和食」の先駆者とも称される山下さん。とはいえ、新たなことを始めようとすると、反対する声はなかったのでしょうか?

「あんなのは邪道だ」みたいなことは、いまだに言われ続けています。特に日本では、自分で良いと思っても、自分以外の他人が同調しないとそれを認めてくれないのです。ただ、そんなときに僕を評価してくれたのが海外の人たちです。海外はその人のアイデンティティを加味しつつ、テクニカルな部分も含めて文化ごと認めてくれるので、僕のことを高く評価してくれますね。最初はものすごく心を痛めましたし、コンクールの審査にもたくさん落ちましたが、逆にそれをバネにしてやり続けました。唯一、両親を含めた私の周囲は僕の考えを理解してくれていたので、それはすごくありがたかったですね。

― それは一般社会でも当てはまるお話ですね。

そうですね。ただ個人のタイプというものがそれぞれあると思うので、多くの意見に従うことがダメということ決していけないというわけではないです。無理に自己表現する必要はないわけですから。それが楽しかったり、自分で納得できるようなことあれば、全然良いと思います。ただ少しでもちがうなあと思う部分があるなら発言したり、自分を信じて行動に起こした方がいいと思います。これもスーツと一緒で、楽ちんであることが一番ですよ。

― そういえば、今回着用していただいたポール・スチュアートのスーツも、開口一番「着やすい!」とおっしゃっていただきました。

いや、本当にそうでしたから。僕がスーツや服を選ぶときの基準は、まずは自分が着てみてどう感じるかということです。もちろん、自分に似合っているかとか好きなデザインなのかとかそういうものもありますが、私にとって大事なことは着やすいかどうかです。個人的に感じるのは、良いスーツを着ると体に絶妙にフィットして、着心地も軽いんですよ。体のラインにあっているから無駄なデザインもないということもあるでしょうし、とにかく余分な重さを感じないですね。適度にルーズなシルエットだったり、モード感のあるデフォルメされたデザインなど幅広くスーツが存在する中で、基本的に僕が着ているのは着やすくて、体のラインにフィットしたスーツです。そういう意味では今回着せていただいたポール・スチュアートのスーツはぴったり。正直ちょっとびっくりしたのですが、着せていただいたスーツは、シックなグレーの色見や小紋や千鳥格子柄といったクラシックな雰囲気は、普段着ているものとまったく同じです(笑)。だから、違和感なく着ることができました。

あらゆるシーンに溶け込むジーンズ&ブーツは、シェフとして不可欠な勝負服

― ポール・スチュアートでは「コンテンポラリー・クラシック」を提案しているのですが、そう言う意味では、山下さんの代名詞である「新和食」と、繋がる部分がありそうです。

そうですね。まずここで言っておきたいのは、京都などに多く存在する歴史ある和食店さんを、私は全く否定しませんし、むしろ尊敬しています。旧き良き伝統を現代にまで脈々と受け継いでいるわけですから。そういった素晴らしい食文化に対して、私自身が培ってきた経験や着眼点をもとに、そのときの食のトレンドなどを加味した新たな和食を「新和食」として提案させていただいているわけで。ポール・スチュアートのスーツも、毎年トレンドが目まぐるしく変化するファッションシーンにあって、長年に渡って旧き良き伝統を守りつつ、その一方で革新を続けているというのは本当に素晴らしいことだと思いますね。

― スーツを着る際に必ずつけるもの、または着こなしに対するこだわりはありますか?

クラシックな時計をつけることくらいで、アクセサリーは特につけていません。ただジャケットを着る際にいつも決めているスタイルがあります。それは一年中、色の濃いジーンズを穿いて足もとはブーツということですね。仕事柄、僕たちは調理場に入るものですから、調理場でコックシューズは格好悪いですし、調理場と外で靴を履きかえるという作業も面倒なのです。ジーンズとブーツであれば、お店に入ってお客様にあいさつをして、そのまま調理場に入って仕事ができるんですよね。料理人は基本的にヲタクですから、こだわりを上げたらキリがないと思います。それは食材に対するこだわりから始まって、自分のスタイルは絶対に曲げません。そういう意味でジーンズとブーツというスタイルは僕のこだわりですね。大きな表彰式など、特別なときは除いて、だいたいジーンズにブーツというスタイルが定番です。

― こだわりといえばもう一つ。お店では、山下さん自身がデザインした調理服を着ているそうですね。

今まで自分で実際に着てきたからこそ、本当に良いユニフォームがどういうものか提案できるわけですよね。そういった経験も踏まえて、スタイリッシュでありつつ、最高のパフォーマンスを引き出してくれる、キッチンという空間にマッチした機能的なものを作りました。サラリーマンにとってのスーツのように、料理人にとって調理服はより料理を作るための大事な勝負服ですから。

PEOPLE PROFILE

山下 春幸 Hal Yamashita
料理人/オーナー/シェフ

1969年兵庫県生まれ。大阪藝術大学藝術学部卒業。海外で料理修業を積んだ後、 独自の視点・捕らわれない料理技法を用い、伝統的な日本のスタイルに今までにない斬新な組み合わせを取り入れた「新和食」を提案し、国内外から注目を集めている。また自身のレストランのほか、障害者支援ボランティア活動、政府関係のアドバイザー、全国各地での講演、また現在世界に150人ほどしかいないマスターシェフの一人として、その活動を世界に広めてパワフルな活動を行っている。

20 件
ページトップへ