【WOMEN】働き方と服への意識。ライフシフトで得たもの。─白木夏子(HASUNA代表取締役)前編
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【WOMEN】働き方と服への意識。ライフシフトで得たもの。─白木夏子(HASUNA代表取締役)前編

時代が注目するキーパーソンにポール・スチュアートが迫る「STYLE SESSION」。 第4回目のゲストは、ジュエリーブランドHASUNA代表の白木夏子さんです。9年前に当時日本初となるエシカルジュエリーブランドを立ち上げた彼女は起業家として活躍する一方で、会社代表としての仕事と育児を両立しています。常に世界に目を向け挑戦し続ける、彼女のこれからとは──。

Photo. Keiichi Suto / Text. Shizuka Horikawa / Edit. Pomalo Inc.

ジュエリーが映えるスタイルとシンプルなデザイン

― 普段、お洋服はどうやって選んでいますか?

基本的にジュエリーが映えるスタイルというのを意識しています。お目にかかる方にブランドの説明する時に、自分が着けているものをお見せするのが一番説得力があるので。今日つけているピアスもそうですが、HASUNAのジュエリーは個性的なものが多いのでお洋服はシンプルなものを選ぶことが多いです。

― その点、シンプルなデザインが多いポール・スチュアートの服はHASUNAのジュエリーと相性が良さそうですね。

青山店の前を通るたび、ウィンドウを見ては品質が良さそうで素敵だなあと思っていました。自分がブランドを立ち上げているので、お洋服もそのブランドのコンセプトや素材、縫製など細かいところがとても気になるのですが、ポール・スチュアートのお洋服は縫製やつくりがしっかりしていますよね。このワンピースもかたちがすっきりしていてシンプルだけど、細かなところに工夫と質のよさを感じます。

― 普段、お仕事のときはどんな服装が多いのですか?ダボス会議に出席する際などのコーディネートも気になります。

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子どもが生まれてからは、仕事中もリラックスしたスタイルが多くなりましたが、商談などはワンピースにジャケットか、パンツスーツなど、やはりきちっとしたスタイルが多いですね。ダボス会議では最初どんなものを着たらいいのかと悩みましたが、結果的に品質がいいものを選びました。もちろんジュエリーが映えるというのは大前提で。

― お子さんができて、生活やファッションは変わりましたか?

がらっと変わりました。服もそうですが、一番変わったのは時間の使い方。それまでは毎日会食で、夜も23時ぐらいまで毎日ミーティングを入れていたので、一人でいる時間は殆どありませんでした。子どもができてからは、会食も夜のミーティングも基本的に入れないことにしました。

仕事の効率化により得た、豊かな時間。

子どもが自立するまで何年だろうって考えると、実際5年とか10年ぐらいしか密な時間を一緒に過ごせないのかもしれない、と。仕事は一生できるけど、子育てはそうじゃない。そう思ったら、その限られた期間のなかで可能な限り自分の時間を子どものために使いたいなって。だから毎日18時には保育園に迎えに行って、夜は基本的に一緒にごはんを食べて、お風呂も一緒に入って過ごしています。そうすると、21時とか21時半には寝かしつけが終わって、そのあと何もない時間がすごく豊かな時間になるんだなってことに気がついて。一人だけの時間ってそれまでまったく持ってなかったので、その空いた時間を使ってお風呂にゆっくり入ったり、本を読んだり、知的収集の時間にしたり、日記を書いてみたり。仕事とは違う自分の時間にあてるようにしたんです。その時間を使って、本も1冊書きました。家に友人たちがお茶しに来てリラックスした時間を過ごすこともあります。

― ライフスタイルの変化が結果的にはプラスに作用したのですね。

正直、子どもができたときは嬉しかった反面、不安に思ったこともありました。それまでの仕事のやり方は絶対に通用しないと思ったので、この仕事を続けていくにはどうしたらいいだろうと真剣に考えました。子どものせいで仕事ができなくなったとか、何かのチャンスがなくなったとかは思いたくなかったんですよね。産んでから半年〜1年は、ロールモデル不在の中でどうやっていけばいいのかっていうのが、全くわからなくて。ずっとシッターさんに預けて働きつづけることはしたくなかったし、かといって仕事は辞めたくないし辞められない。ワークライフバランスというか、自分の子育てってどうしていけばいいんだろうって。それで出した答えが、会議はなるべく電話で済ませることと、しなくてもいいミーティングは全部なくすこと。自分が出なくてもいいって判断したものには出るのを一切やめて、毎日4~5時間ずつ仕事に費やしていた時間を減らしつつ効率化していきました。

― それまで当たり前にあったことを変えることに不安はありませんでしたか?

意外と支障はなかったんですよね。もちろん周りの方々や会社のパートナー、スタッフには大いに支えられたことはありますが、労働時間を減らしても売上は減ることはなく、むしろ右肩上がりでした。よくよく考えると、絶対出なきゃいけない会食ってあんまりなかったなって。もちろん、重要なものに関しては、月2〜3件は入っているんですが、可能な限りランチミーティングやブレックファストミーティングにしてもらったり、みなさんに配慮してもらって。出張に子どもを連れて行くのも、割と早い段階から様子を見つつ行っていました。育児と仕事、自分なりのバランスのとり方を1年ぐらいでようやく調整できた感じですね。

― 家での時間を大切にしつつ、決して仕事も妥協しない白木さん。その原動力というか、白木さんを突き動かす動機は何でしょう?

学生時代、インドで過ごした2か月。悲惨な労働環境にある鉱山採掘現場で働く子どもたちの姿は未だに衝撃的で、今も鮮明に残っています。あの経験があったからこそ、今があるっていうのがありますね。
もう一つは、私の母がファッションデザイナーだったのですが、60歳を超えた今もファッションの仕事に関わりつづけていて、すごく楽しんでいるんですね。私は幼い頃から母が働いているのを見て憧れていましたし、それを見ていて、やっぱり好きなことを仕事にするっていいことだなって思って。

垣根はつくらない。

あと、影響を受けたことでいうと、なるべくいろんな人に会うことを心がけていて。たとえばジュエリー業界の人だけで固まるとか、起業家だけで集まることは自分にとって殆どない。たとえばですけど、全然知らない町の漁師さんとか、全然知らない土地の宿の人とか、いろんな国のいろんな人に会って話をするようにしているんです。ちょっと前まではあまり外に出ずに、社内のことに集中していたんですが、それだけだと新しい発想が出てこないことに気づいて、最近、改めて沢山の人に会うことを意識しています。

いろんな国をまわったり、全然業界の違う人に会ったり、IT業界の人だったりとか、投資業界の人だったりとか、アーティストとか。そうすると、自分とは違うその世界のことにもすごく興味がわいてきて、この世界、この地球のことがもっと見えてくるなって。そして、まったく違う業界の方に私のビジネスの話をして、HASUNAに興味を持ってもらえたり、私の考え方に共感してもらえるとやっぱり嬉しいですよね。


(白木夏子様着用アイテム)
DRESS ¥34,000(+TAX)
問い合わせ先/SANYO SHOKAI(カスタマーサポート)Tel.0120-340-460

PEOPLE PROFILE

白木夏子 Natsuko Shiraki
起業家/ブランドコンサルタント/HASUNA Co.,Ltd.代表取締役
イギリスにあるロンドン大学キングスカレッジにて発展途上国の開発について学ぶ。 国連インターン、投資ファンド会社を経て2009年にHASUNA Co.,Ltd.を設立し人、社会、自然環境に配慮したエシカルなジュエリーブランド事業を展開。    
「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011」キャリアクリエイト部門受賞。
AERA「日本を立て直す100人」にも選出され注目を浴びる。近年では雑誌やトークショーなどにも多数出演し、活動の幅を海外にも拡げ、そのビジネスと「生き方」が支持を集めている。

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