【MEN】会社づくりはチームづくり。やれないことは、やらない。─中村貞裕(トランジットジェネラルオフィス代表)前編
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【MEN】会社づくりはチームづくり。やれないことは、やらない。─中村貞裕(トランジットジェネラルオフィス代表)前編

時代が注目するキーパーソンにポール・スチュアートが迫る「STYLE SESSION」。 第5回目のゲストは、トランジットジェネラルオフィス代表・中村貞裕さんです。カフェやレストラン運営から、ブランドカフェやホテルのプロデュース、さらに日本初上陸レストランを次々に手掛けるトランジットジェネラルオフィス。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いと言うのに相応しい、いま最も熱い会社を牽引する中村さんの魅力に迫りました。

Photo. Keiichi Suto / Text. Shizuka Horikawa / Edit. Pomalo Inc.

高機能なジャケットは、海外出張の必需品。

― 東京にある行列の先には、たいてい中村さんが手掛けたお店がある気がします。現在どれくらいの店舗があるのでしょう?

プロデュースだけでいうと約60軒、全体でいうと80店舗ぐらいを同時にやってる感じですね。この夏オープンしたロングレインっていうタイ料理屋さんをはじめ、今後3年ぐらいの間に15~20軒ぐらいの店舗がオープンを控えています。一昨日までスペインにいたのですが、それも新しいお店視察のためでした。毎月1〜2回の頻度で出張があるんですよね。

― 図らずも、本日着ていただいたセットアップは、出張が多いビジネスマンのためのトラベラーズシリーズ“STUART’S TRAVELER”。着心地はいかがですか?

いいですね。仕事でもプライベートでも、渡航先では必ずレストランに行くのでジャケットは必須なんです。リゾートだからってなめて行くと入れませんからね。

via pattern_6
だから必ずジャケットは持っていくのですが、スーツケースにぎゅうぎゅうに詰め込んでいくからシワになっちゃうことが多いんです。シワにならないこの素材、いいですね。めちゃめちゃ便利じゃないですか。向こうに到着してからコーディネートをいろいろ考えるのも面倒なので、こういうセットアップの定番が旅行用にあると便利だなあ。普段、ジャケットは着るけど、セットアップやスーツって着ることがあまりなくて、ちょうど欲しいと思っていた時期で……。え。買っちゃおうかな、本当に(笑)

“日本初上陸”仕掛け人のリサーチ術

― 是非。それにしても、さすが。出張先でもやはりレストランのリサーチには余念がないんですね。

そうですね。2泊で帰って来ることもできるけど、せっかくなら2週間ぐらい長く行ってリサーチしてくる感じですね。お店は世界中、事前にかなり調べています。ちょっと前まではBRUTUSなど雑誌の情報も多かったんですが、最近は世界各国に信頼できるライターやリサーチャーがいるので、そういうところから集めています。あと、シェフからシェフの紹介とかね。正直、昔はたまたまの出会いからやっていたところも大きかったのですが、海外のサイトで見つけることも多いです。ネットで調べているとHPを見ればセンスのいい店ってわかるじゃないですか。で、よければすぐアポイント取って、行くまでに前もってうちの会社の履歴書を送って、コンタクトを取って、会いたいんですけどってことを伝える。で、これまでの実績を伝えると90%の確率で会ってくれる感じですね。今って食関連の普通の人だったらたいてい会ってくれるんですよ。東京ってオリンピックも控えてるし。彼らの希望と性格とが合えばたいていうまくいく。恋愛と一緒ですよ。合いそうな人を見つけて、相手の性格を理解して、相手がやってることと自分がやりたいことが合えばうまくいく。決して無謀なチャレンジャーで行くわけではなくて、共通の趣味が合いそうな相手を見つける感じ。共通の知り合いがいたらそれはさらによくて。信頼関係が生まれやすい。

― 最初に恋に落ちたのがビルズということになるのでしょうか?

そう、ビルズが8~9年前。もともと、カフェをやっていたっていうのもあって、運営受託っていうのができたんですよね。それで、世界的なメゾンブランドや車メーカーなど、企業の飲食の運営受託をやらせてもらっている感じですね。最近では超ラグジュアリーなラウンジの受託が増えてきています。といっても、僕は営業するだけで、その能力資産を増やしている感じ。その結果、従業員それぞれが社長みたいに動いていて、僕は怒られてばっかりなんですよ(笑)。

― 御社の風通しのよさが伝わってきます(笑)。現在、どれくらいの人が働いているのですか?

社員で600人、バイトもいれると3000人、ケータリングで400人。だから、トランジットに関わっている人でいうと、4〜5千人いる感じですね。どこに行ってもだれかに会っちゃうから悪いことはできないですよね(笑)。独立して、最初に会社をつくった15年前には社員は僕だけで、スタッフは2人とかだったんですけどね。

― すごいですよね。

もっとすごい会社はたくさんありますよ。ただ、僕たちはいい場所に出店していて、かつ成功する率が高いっていうだけ。それとクライアントがすごいいいってことですね。伊勢丹との合弁会社やJR東日本さんとも一緒にお仕事をしたり。信用されているクライアントと、しかも対等にやっているっていうところがすごそうに見えるところなのかもしれませんが、それも時代の流れ。むかしだったら絶対なかったことだと思います。時代がその垣根を取ったというか。今、彼らが欲しいものを僕らが持っていて、僕らが欲しいものを彼らが持っている。そういうことだと思います。そしてそれに必要なのは実績とPR。実績は絶対にないとだめですが、実績があるだけでもだめで、かつそれをうまくPRすることが重要なんです。それがうまくいくと勝手に仕事が舞い込んでくる。実績だけじゃなく、それを最大限PRするっていうことが大切なんです。BtoCは誰でもするんだけど、BtoBにもするっていうのがうちの強みだと思います。

トランジットジェネラルオフィスのつくり方。

― トランジットジェネラルオフィスとほかの会社との違いって何でしょう?

社長が無口じゃないっていうところですかね(笑)。僕、純粋に口コミが好きなんで、いいと思ったものをひたすら喋るんですよ。だから、それが純粋に伝わるのかもしれません。プライベートなことも仕事のことも同じテンションで話すからいいのかもしれないですね。もし仕事のことだけ話していたら貪欲な男って思われちゃって誰も聞いてくれないかもしれないけど、基本的にだめな仕事の話とか遊びの話とかもしながら、同じテンションでそれの延長に仕事の話があるっていうか。僕、話したいことだらけなんですよ(笑)。

― それこそが中村さんの仕事のスタイル、なのでしょうか。 

仕事のやり方ってことでいうと、ほかの会社に比べたら、たぶん数十倍社員に任せるタイプだと思います。任せるからこそ、同時にいろんなことができるのと、同時にいろんな仕事を進められるからスピードも早い。けど、最終判断はみんなが一応僕に確認してくれるので知らない間に進んでるってことはないですね。とはいえ、僕の意見が全部じゃないんで、僕の意見が全然通らないこともあるんだけど(笑)。任せちゃうことにフラストレーションが貯まることもあるけど、いいものを作る為にはアイデアを出しています。

社員を独り立ちさせたいというのもあるし、最近では取材にも僕じゃなくて担当者を出すようにしています。次のステップとしては頑張ってる社員たちに会社をつくってあげたいなとも思ってます。お店も会社もチームづくりだと思うんです。自分のやれないことはやろうとしないで、やれる人を起用するっていうのがいいと思っていて。うちの副社長は20歳からの友だちなんですが、経営はほぼ彼に任せています。川村元気くんとよく話すんだけど、映画つくるのも雑誌つくるのも、お店つくるのも会社つくるのも、やってることはみんな一緒だよねって。

― でいうと、中村さんは何担当になるのでしょう?

僕がやらなきゃいけないのは、外とのネットワークと今イケてる情報ネットワーク。社内のみんなが提案してくることが、今の流れと合ってるかをチェックするくらいですかね。あと、日本初上陸モノを見つけてくるのは100%僕の仕事。今はそれに注力しています。カフェをつくったり、プロデュースしたり、これまで僕がやっていたようなことは完全に下の人たちに任せています。最後のネーミングとか、どんな色がいいか、家具はこれとこれとどちらがいいかとか、そういった判断をするってくらい。あと、僕は誰よりも食べ歩いているし、シェフ同志のネットワークもあるから、紹介したり繋げたりはするかな。料理監修を誰にするかっていうときは僕が決めたり、全然知らない人にアタックするときなどは僕からメールしたりしますね。

― とどまることを知らない勢いのトランジットジェネラルオフィス。ここだけの話。今後、どんなことを企んでいるのでしょう?


(中村 貞裕様着用アイテム)
JACKET (STUART'S TRAVELER) ¥49,000(+TAX)
TOP ¥18,000(+TAX)
TROUSERS (STUART'S TRAVELER) ¥23,000(+TAX)

問い合わせ先/SANYO SHOKAI(カスタマーサポート)Tel.0120-340-460

PEOPLE PROFILE

中村 貞裕 Sadahiro Nakamura
TRANSIT GENERAL OFFICE代表/カルチャーエンジニア
1971年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、伊勢丹へ入社。2001年に「ファッション、音楽、デザイン、アート、食をコンテンツに遊び場を創造する」をコンセプトに掲げ、現在のトランジットジェネラルオフィスを設立。「Sign」を皮切りに、「ディーゼル」、などのブランドのカフェ、また「bills」や「MAX BRENNER CHOCOLATE BAR」、「ドミニクアンセルベーカリー」、「ICE MONSTER」、「GYG」などを展開。今年、日本初上陸レストラン「FRATELLI PARADISO」や、「Longrain」をオープン。著書には「中村貞裕式 ミーハー仕事術」も。

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