スポーツを通じて恩返しをすることこそが、自分の使命―立花陽三(楽天野球団/楽天ヴィッセル神戸 代表取締役)後編
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スポーツを通じて恩返しをすることこそが、自分の使命―立花陽三(楽天野球団/楽天ヴィッセル神戸 代表取締役)後編

時代が注目するキーパーソンに、ポール・スチュアートが迫る「STYLE SESSION」。今回のゲスト、立花陽三さんは、『東北楽天ゴールデンイーグルス』と『ヴィッセル神戸』という二つのチームの社長を兼任。野球もサッカーも試合があればできる限りスタジアムへ足を運び、選手たちに直接声をかけ、ファンからの様々な生の声に耳を傾ける。球場外の仕事といえば最近は、アンドレス・イニエスタ選手のヴィッセル神戸加入が記憶に新しいが、外国人選手の獲得交渉に加え、ミーティングや会食、細かな社内業務もこなしているため、シーズン中の休日はほぼ皆無。そんな多忙を極める立花さんにとって何よりの原動力は、チームの勝利。このインタビューを通じて、両チームへの100%の愛情と熱量に触れることができました。

Photo. Tatsuya Yamanaka(Q+A) / Text. Kei Osawa / Edit. Pomalo Inc.


イニエスタ選手獲得は、日本のプロスポーツ界のため


― 球団社長就任のオファーは実に運命的なものだったとお聞きしました。そういう目に見えない力みたいなものは、ビジネスに関係あると思いますか?

あると思います。私の場合は特に運がいいと思います。仕事における運命的な出会いやチャンスというものは大小さまざまあり、それは全員平等に回ってくると思っていて、それを掴むかどうかだと思います。毎日努力をしていればチャンスは必ず回ってくると信じているので、日々努力することが重要だと思っています。野球もサッカーもまさにそうですけど、一軍で活躍する選手というのは日々の練習があって、勝負どころがきたときに必ず結果を残します。そのワンチャンスを生かせる人と失敗してしまう人の差がアスリートでもビジネスでも同じなのです。失敗をしてももう一度同じチャンスは訪れるので、そこで失敗を繰り返さないことが大事だと思います。彼らからから学ぶことが多くて、むしろ私はスポーツマネージメントに携わりながらそれを勉強させてもらっています。

― 社長に就任してから、かなり早いタイミングで日本一になりましたね。


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今思うと各ピースがすべて絶妙にはまっていましたね。あと当時はケガ人がほとんど出なかったのです。スポーツにケガはつきものですが予測ができないので、それをマネージメントするということは難しいんですよね。色んな数字を出して計算もしているのですが、その計算というのも選手が健康でパフォーマンスができるということが前提なので(笑)。もちろんリスクシナリオも計算しますが、その計算以上のダメージが出てしまうということがよくあって、普通のビジネスとはちょっと違うんですよね。でもそこがまたおもしろいと思います。

― 最近では、アンドレス・イニエスタ選手のヴィッセル神戸加入が話題になっていますね。

交渉をしたときは、彼がどういうことを望んでいるのか、どういう条件を出せば他のチームのオファーに勝てるかということを議論しました。そして彼を獲得することが日本のスポーツ界においてどれほど良いことが起こるかということを懸命に彼に説明をしました。また単にヴィッセル神戸が強くなるということだけでなく、それが野球にも多大な影響を与えてほしいということも彼に伝えることができました。彼は野球のことはまったく知らないですが、とにかく我々と一緒にこれからの日本のサッカー界、スポーツ界を変えようという話はできたので、彼もそこに関してはすごく共感してくれて良いミーティングができたと思います。これは球団社長を経験したことが大きかったですね。


仕事もスポーツも、大事なことは相手に対するリスペクトの心


― ますます多忙になっていますが、何を優先して活動されているのでしょう?

野球もサッカーも50:50ではなく100:100で取り組むようにしています。私らのビジネスで難しいのが、ファンがいるということです。他のビジネスと違って、チームはファンのものでもあるんですよね。これが非常に難しくて、サッカーも野球も負ければファンも痛く、特にファンのみなさんは自分のお財布を痛めて応援してくれているわけですから、私の熱量が半々だとファンは許してくれません。だから私は気持ちの中では1日に48時間は働かなくてはいけないと思っているので、両方とも100%の力でやらなければならないと思っています。ここに関してはロジカルではどうにもならなくて、両方ともすごい熱量をもって愛さなければならないので、どちらも真剣に取り組んでいます。

― 普段、仕事をする上で大事にしていることは?

たくさんありますが最も重要なのは、他人を尊敬する気持ちは常にもっていないといけないとは思います。私もときどきチームが負けるとあいつのせいだとか、無意識に人のせいにしてしまうことがあるのです。私は「respect each other」という言葉が大好きなのですが、お互いがリスペクトしあえなかったら組織は弱いですから。難しいですが、これは常に心がけてはいます。

― 最後に、今後の展望を教えてください。

東北も神戸も、今もなお震災の被害によって苦しんでいる人がたくさんいます。これからもスポーツだからこそできるパワーを使い、東北や神戸への被災地支援や地域の活性化をすることで、ファンのみなさんに今までの恩返しをしたいです。もし現職を離れたとしても、それがどんな形であれ、個人的に必ずみなさんに恩返しをしたいと思っています。
― 現役のプロ野球球団社長である立花さんは、一目置いている球団があるそう。それは広島東洋カープ。「市民球団で、まさに"自分たちの球団だ"という思いがあって広島全体から愛されているんですよね。経営面も常にファン目線で、チケットの値上げもほとんどしていないのです。それはやはり市民への恩返しとか、ビジネス規模を考えての経営方針でそれが素晴らしいなと思います。楽天イーグルスは今、戦績的には苦しんでいますが、スタジアムは満員なのです。このファンの気持ちを絶対に裏切ってはいけないと思っています」と締めくくりました。これはスポーツもファッションも同じ。ニューヨーク勤務時には、ポール・スチュアート本店をご愛用頂いていたという立花さん。ポール・スチュアートもお客様一人ひとりとの繋がりを大事に、日々チャレンジし続けていきたいと考えます。

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ジャケットはトップ染めによる奥行きのある色味と、さらりと着用できる生地感がポイント。アンコン仕様なので気負わず、楽なムードでの着こなしが可能。またパンツにはナチュラルストレッチを採用しつつ強撚糸を使っているので、伸縮性に優れながらもドライタッチな清涼感を堪能できるのだ。ジャカード織りによるストライプ柄のネクタイも、エレガントなアクセントとして存在感を発揮している。


(立花 陽三様着用アイテム)
JACKET ¥76,000(+TAX)
SHIRT ¥23,000(+TAX)
TROUSERS ¥23,000(+TAX)
TIE ¥15,000(+TAX)
POCKET SQUARE ¥5,000(+TAX)

問い合わせ先/ポール・スチュアート 青山店 Tel.03-3406-8121

PEOPLE PROFILE

立花陽三 Yozo Tachibana
楽天野球団/楽天ヴィッセル神戸 代表取締役

1971年、東京都生まれ。1994年に慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、ソロモンブラザーズ証券に入社。その後は一流証券マンとしてめきめきと頭角を表し、ゴールドマン・サックス証券、メリルリンチ日本証券を渡り歩き、2011年にメリルリンチ日本証券執行役員に就任。そして2012年8月より、東北楽天ゴールデンイーグルス球団社長に就任。さらに昨年10月よりJリーグ・楽天ヴィッセル神戸の代表取締役社長に就任し、野球とサッカーという2つのチームの経営を兼務している。

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