言葉と自己との向き合いで見えてくる人間性─平山祐介 × 知花くらら(モデル・俳優)特別対談 vol.02
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言葉と自己との向き合いで見えてくる人間性─平山祐介 × 知花くらら(モデル・俳優)特別対談 vol.02

時代が注目するキーパーソンにポール・スチュアートが迫る「STYLE SESSION」。今回は2018年の新春スペシャルとして、ポール・スチュアートが似合う世代のファッションリーダー的存在のお二人、平山祐介さんと知花くららさんによる初の対談が実現。その模様を4回に分けてお届けします。モデルや役者など各方面で活躍するお二人は共に戌年生まれ。2年前にはテレビドラマで共演を果たしているなど、いろいろな共通点をお持ちです。佇まいはもちろんのこと、言葉を大切にしながら自己を表現する者同士、その難しさや楽しさについて語り合っていただきました。本対談では、肩書きの枠を超えて活躍されているお二人が持つ、独自のスタイルを探っていきます。

Photo. Hideyuki Seta / Styling. Masahide Takeuchi / Hair & Make up. Jun Furukawa (Yusuke Hirayama),
Yukie Shigemi (Kurara Chibana / gem) / Text. Yoko Yagi / Edit. Pomalo Inc.


役者として歌人として言葉を伝える時のこだわり


― お二人はどんな時に手応えのある歌や演技ができたと思いますか?


知花:はっとひらめいて秒速で出来上がった短歌は手応えを感じます。そんな時ほど自分が言いたことがはっきりしている。具体的な背景やシーンが浮かんでくると、すっと、五七五七七の31文字が出てくるんです。私は写真が好きでよく撮影するのですが、状況を読み取って一瞬を切り取りその後見返す、その撮影のプロセスで得た感情や頭に浮かぶビジュアルの組み合わせ方が歌を作る時に反映されているのかもしれません。短歌は「かわいい」「愛しい」「悲しい」などのわかりやすい形容詞を絶対ではありませんが基本的に使ってはダメ。ストレートに言わないで別の言葉でどう表現するか、伝えるかがポイント。周りから攻めていく感じ。そういったルールを押さえながら秒速で出来た歌は完成度が高い。お芝居のセリフも似ている気がします。



平山:全てのセリフをズバっと単刀直入に言わなくてもいいと感じています。その点は脚本家が一番意識しているはず。ストーリー全体の流れや役柄によっては時にストレートでもいいし、時には周りから攻めてもいい。その加減が難しいと思うし、そういうセリフを考えるのも一筋縄ではいかないんじゃないのかなと。そうして生まれたセリフの意味を理解しながら役者は演じるわけですから、理解するまでに時間がかかることもあります。その場合は監督と相談。「このセリフはこういう風に」と、思ってもみなかったことを言われるとドキっとする。確かにそう捉えることもできるなと。その時、言葉のおもしろさを感じますね。そういう意味では芝居に限らず日常の会話の中でも察してもらうような言葉や言い回しがあると思います。それこそストレートに言わない。日本独特、おもしろい。

知花:わかります! 海外ではあまりない言葉の表現ですよね。

平山:日本らしい美学を感じる時もあるけれど、自分は海外暮らしの経験があるせいか、察したくても「だからどうしたいの?」「だからどっち?」と突っ込みたくなる時がたまにあります。

知花:それもわかります。やはり平山さんは体育会系のオーラがありつつも真面目で繊細な心の持ち主ですね。ご一緒したドラマの時から変わらない。プライベートでは何か書いたりしていますか?

平山:書かないです。でも本を読むのが好きですから文章を書くのも好きなんです、本当は。昔はブログや友人のウェブマガジンで書いていましたが、どうしても文章が堅くなってしまう。自分、堅いよな……と。

知花:言葉って人間性が透けて見えますよね。


言葉と向き合うことは自己と向き合うこと


― 言葉と向き合うことは自己とも向き合うことにつながるのでは?


平山:つながります。でもそういうことを意識せずに何も考えていない時のほうが、自分の演技に手応えを感じます。頭の中がいっぱいになるくらい考えちゃうと、良い仕事ができていないことが多いかも。力を抜く。役者でもモデルでもどんな仕事でも当てはまる気がします。

― その力の抜き方がわかるようでわかりませんよね。


平山:はい、意識してできるものではないから難しい。素直になっている時でしょうか。台本の内容にもよりますが、長いセリフでもすぐに覚えられることもあれば、1行でも全然頭に入らないこともある……。



知花:平山さんみたいに日々の鍛錬を怠らずいつも一生懸命になって考えているからこそ、力が抜ける瞬間があるのだと思います。最初から努力しないで何も考えない人にはその瞬間は訪れない気がします。考えに考え抜いて、そして一度忘れて、それで再び挑むからこそ手応えのある仕事ができるのではないでしょうか。


(平山 祐介様着用アイテム)
COAT ¥89,000(+TAX)
SUIT ¥89,000(+TAX)
SHIRT ¥19,000(+TAX)
TIE ¥10,000(+TAX)
BELT ¥15,000(+TAX)

(知花 くらら様着用アイテム)
COAT ¥49,000(+TAX)
JACKET ¥49,000(+TAX)
BLOUSE ¥29,000(+TAX)
SKIRT ¥33,000(+TAX)

問い合わせ先/ポール・スチュアート 青山店 Tel.03-3406-8121

PEOPLE PROFILE

平山祐介 Yusuke Hirayama
モデル・俳優

1970年埼玉県出身。一般企業に就職した後、モデルになることを決意して単身渡仏。1995年にパリ・コレクションデビューを果たす。2001年にフランス映画『SAMOURAIS』に出演し、俳優としてのキャリアも築く。現在は日本を拠点に映画やテレビドラマ、CM、ファッション誌など様々なメディアで活躍中。空手は正道会館 黒帯、居合は弐段。キックボクシングや大型バイク、乗馬、スキューバダイビングもたしなむアクティブ派。読書好きの一面も。

知花くらら Kurara Chibana
モデル・女優

1982年沖縄県出身。2006年ミス・ユニバース世界大会第2位。ファッション誌をはじめ、テレビやラジオ、CMなど多方面で活躍している。2007年から国連世界食糧計画(国連WFP)の活動を始め、2013年には日本大使に就任。2015年にNHK大河ドラマ『花燃ゆ』で女優デビュー。2013年ごろから始めた短歌は後に『週刊朝日』で連載を持ち、2017年に角川短歌賞佳作を受賞する。現在、歌人・永田和宏氏との共著『あなたと短歌』(朝日新聞出版)が発売中。

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